サステナビリティ

千葉大生と考えるファッションと環境問題

2024年04月19日

千葉大生と考えるファッションと環境問題

当社は、2019年2月に千葉市 、国立大学法人千葉大学の双方と包括的連携協定を締結しており、西千葉エリアで新たな価値を生み出すまちづくりを目指しています。2022年度からは、千葉大学のEMS(環境マネジメントシステム)運用をはじめ、SDGsに関わる様々な啓発活動を実施している千葉大学環境ISO学生委員会と共に、「ファッションとサステナビリティ」をテーマにさまざまな企画をおこなってきました。

当社と千葉大学環境ISO学生委員会の共同プロジェクトでは、学生が環境・ダイバーシティ・文化・人権の4つの班に分かれ、それぞれの課題を解決する企画を検討し、当社と共に実施・運営をしています。そのうち「環境班」は、持続可能な社会の実現に向け、ファッションという身近な分野から環境問題に興味を持ってほしい、ファッションに関する環境問題を知ってほしいという想いから発足しました。

2023年度はファッションに関する環境問題を軸に4つの企画を実施しました。

~環境班による取材レポート~


実施内容

2023年9月~11月 「土に還る服」を作るブランド「Syncs.Earth」の見学
2023年9月~2024年2月 ペットボトルキャップを活用したアクセサリー作り
2024年2月 「東紀繊維」見学
2024年3月 ZOZO主催のビーチクリーンへ参加

「土に還る服」を作るブランド「Syncs.Earth」の見学     

2023年9月、私たちは、服を買う行動が自然へと循環する社会の実現を目指し「土に還る服」を販売するアパレルブランド「Syncs.Earth(シンクスアース)」様を取材しました。


Syncs.Earthは製品を100%自然に還すことができる循環型ブランドです。実際に、服を土に還す際の現場である畑に伺い、服が分解される過程を見学しました。服が土に還るためには、服の素材を自然由来のものにすることや、微生物がいる環境が必要であるなど、いくつかの条件がありました。また、土の温度や水分によって微生物の働きは異なり、分解速度も変わることも学びました。


Syncs.Earthは「循環型社会を世界に巡らせる」をビジョンに掲げ、服が自然界において     循環できるよう、服による環境 負荷を減らす取り組みをしています。また、畑には農薬を使わず、ボタンや糸に至るまで自然由来の素材を活用しています。今は服を買う際に環境への影響を配慮して商品を選ぶ方はまだまだ少ない状況ですが、Syncs.Earthでは、土に還る服も「環境に良いから選ぶ」だけでなく、「着たいから」「きれいだから」という理由で購入されるような服作りを目指しているそうです。
取材や見学を通して人間が環境に与えるネガティブな影響を抑えつつ、ファッションを楽しむ方法が存在することを実感し、私たちはこれから、服を買う行動が自然へと循環する社会の実現を目指し、ファッションにおける環境問題や環境に配慮した服の存在を広く伝えていきたいと思いました。

ペットボトルキャップを活用したアクセサリー作りについて

2023年11月の千葉大学の大学祭、2024年2月の「Chiba Winter Fes」に出展し、地域住民を対象に、不要になったペットボトルのキャップでアクセサリーを製作するワークショップを実施しました。ワークショップでは、事前に粉砕したペットボトルキャップを型枠の中に入れ、その上からアイロンをかけてアクセサリーを作ったほか 、参加者に環境問題に関するクイズを出題し、楽しみながらプラスチック問題について理解を深めてもらう機会を提供しました。当日の参加者からは「ペットボトルのゴミが減るようにもっと気を付けたい」といった感想が寄せられました。

今回のワークショップやその準備を通じて、環境問題について自分事として考える良いきっかけになりました。今後は引き続きワークショップを実施していくほか、海洋ごみの実態を直接学習するためにビーチクリーン活動に参加するなど、プラスチックごみの削減につながる活動を続けていきます。



「東紀繊維」の見学について

2024年2月、私たちはSyncs.Earthと同様に土に還る服に携わっている、株式会社東紀繊維様(以下、東紀繊維)の編立工場を取材しました。東紀繊維では「地球が1秒でも長く生きられるように」をモットーに掲げ、できるだけ環境負荷の少ない方法で繊維から生地や衣服をつくっているそうです。

一般的には生地や衣服がつくられる過程においては、化学繊維や大量の水を使ったり、冷暖房の使用によってCO2を排出したり、生地のカットによるロスや余剰による廃棄などの問題があることを学びました。これらの問題に対し、東紀繊維では一般的な編み機の約30分の1の電力で動く吊り編み機を使用したり、太陽光発電をおこなったりしているそうです。取材では、吊り編み機で生地を作っている様子や服が土に還るまでの様子などを見学しました。吊り編み機は、生地に余計な力をかけずに編むことができるため、織った生地はとても軽い仕上がりになっていました。また、東紀繊維で生産している製品は、地球に優しい、土に還る素材のみを使用しているそうです。

取材を通して、普段自分たちが着ている服の生産過程や環境への負荷を知り、その上で     服を選択していくことが、地球環境の保全にもつながっていくのだと思いました。また、     問題に気付く・知ることが大切であるため、学んだことをより広めることで環境問題の解決に貢献したいと考えました。



(「~環境班の学生による取材レポート~」は環境班の学生が作成しました。)

今後も、未来を担う若者と共に様々な取り組みをおこなうことで、持続可能な地域・社会への貢献に取り組んでまいります。

 

参考リンク
Syncs.Earth
株式会社 東紀繊維